お墓と仏事について

お墓と仏事について、簡単にまとめたページです。みなさまのご参考となりましたら幸いです。

お墓について...

知識を増やし、皆様の価値感が増すことを期待し簡単にご説明いたします。意味をとらえると、思いも深まります...悩むことも多いでしょうが、石屋さんは多くの経験をしています。相談してみましょう。そうすると意外と簡単に納得を得られることでしょう。

お墓には...

お墓という場所には、塔がおかれています。今では、塔は木材で作られているのを塔婆と言ったり、石で作られていれば石塔といったりしています。塔(トウ)は、インド語で「ストゥーパ」と言うようです。逆にインドの「ストゥーパ」が「トウ=塔」と訳されたそうです。

塔って ?

塔と言うのは、インドで、写真のような形のもので、この形はお釈迦様の供養塔の形を模しています。日本でも、そうした形状をルーツとして、多宝塔、宝キョ印塔、無縫塔、五輪塔などが創られました。最近の、角柱型の石塔は、中国の位牌型の石碑に影響されたのでは?と言われているそうです。さらに、形にこだわらず、自由なデザインも増えています。時代とともに、形は変わるものの意味は継承さ続けています...そうした中でも、ご自身、家族の希望を石屋さんに相談してみましょう。また、墓地を建てるところによってはルールがある場合もあるので、そうしたことも聞いてみましょう。

お墓をたてる時期は ?

とくに、時期を気にすることはありません。ご年配者や、ご住職、問い合わせ先の石屋さんなどにご相談ください。

(ご参考)
昔は、葬儀も地方によっては親戚縁者総動員で引き出物も用意したり葬儀や埋葬などお金のかかる事でした。また、今のように寿命が長くはないので、一家の大黒柱が亡くなることもあり、残された者は経済的な問題を抱えることがしばしばでした。そうしたことから、一周忌までに墓地をたててはいけない。と言う風に言ったりするところもあるそうです。また、昔は土葬でしたから、棺桶が腐り、屍が骨になるまで待つと言うことも言い含められていたそうです。しかし、忌事をはやく明けるために、お墓は早めに立てた方がいいとも解釈されていたそうです。

お墓の形、大きさについて

お墓の形や、大きさには色々あります。ご住職、ご依頼先の石屋さにご相談してみましょう。色々と経験されてますので、その上で教えてくれるでしょう。また、墓地に足を運んで、見てみることもよいでしょう。色々、細かい条件があったとしても、相談することで、簡単に糸口を見つけることができると思います。

おじぞう様 ?

墓地によってはお地蔵様が置いてある場合があります。多くの皆さんは、水子供養を想い置かれているようです。そもそもお地蔵様は地蔵菩薩で地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天の6道を行き来できる存在だそうです。そうした存在なので、特に、小さな子を亡くした親から慕われ、「どこかで自分の子供を見かけたら、どうか助けてあげてほしい」と地蔵菩薩に願いを託すそうです。お地蔵さんに前掛けが掛けてあるのは、その子の匂いを知ってほしいからとも言われています。

墓石に刻む文字

お墓に刻む文字について、いろいろと悩むことがあるでしょう。石屋さんに相談してみましょう。ご自身の希望、家族の希望、いろいろと気持ちがあるでしょう。全部、石屋さんに相談してみてください。いろいろと経験された中で、話を聞いて考えてくれることだと思います。自分で書いたもの、誰かに書いてほしい、お花を彫ってほしい、皆さんの希望は、ほとんど経験済みでしょうから安心して相談してみましょう。

外柵とは?

墓地を囲っているものを、関東より北は「外柵」と言ったり、関西では「結界、結界石」と言ったりするそうです。墓地(=墓域)は、浄土(=仏国土)という考えから、外柵を廻らすようになったそうです。昔は、墓地に入るのに、階段がよく付けられていましたが、階段を「戒檀」におきかえ、仏道修行の「戒・定・慧」の戒とし、戒律をまもり成道を願う供養と考えたともいわれます。

(ご参考)
現代では、昔のように階段を何段も付けることは少なくなりました。色々なご事情から、こうしたことも時代とともに変化してきています。外柵についても、ご自身、家族の希望を石屋さんに相談してみましょう。また、墓地に足を運んで見て回ることも良いでしょう。

納骨の仕方...

昔は、土葬でしたから、墓地に納骨室(=カロート)という部分は必要としませんでした。現代では、火葬をしていますので、納骨室が必要となり、墓地の中でもっとも大切で神聖な部分であるとされています。墓地の形や、外柵の作り方などによって、いろいろと造り方がありますので、石屋さんに相談してみましょう。いろいろ経験されているので、希望を伝えて相談してみましょう。

塔婆立ては必要 ?

真宗系統の諸宗派では、塔婆供養をしないので必要ないとされています。昔は、土にそのまま刺していたのですが、風で倒れたり、隣の墓地に散らばったりするので塔婆を建てる「塔婆立て」というものを使うようになっています。供養してくれた施主への気持ちを大切にする意味からも、雑な扱いを避けているともいわれたりもしているそうです。

(ご参考)
塔婆の先端は、写真のように独特の形状をしています。この形状は五輪塔の形を模したものになっていて、塔婆だけで「塔」の意味を持っていることがわかります。

灯篭は必要 ?

下記の「灯篭について」をご参照ください。

埋葬供養

四十九日まで、家庭の祭壇に置かれて供養された遺骨は、その日が過ぎると埋葬されることになることが多いです。昔は、その四十九日が強く意識され、墓地や石塔を所有しない方は、急いで用意したことが多く見受けられました。しかし、現代では、早めに埋葬したい意識はありつつも、じっくりと検討した上で埋葬する方が多くなりました。詳しくは、年配者の方、寺院、石屋さんにお聞きすることが良いでしょう。きっと、焦らせず、相談から聞いてくれることでしょう。

埋葬、納骨 ?

現代では、火葬していますので、埋葬と言うよりは、納骨という感じになっています。しかし、納骨であっても埋めるという気持ち、意味合いは同じこととし、死者を土に反して、仏教の生死輪廻にかなうように取り扱われています。骨壺のまま納骨するのか、骨壺から遺骨を出して、埋葬するのか。そうした事も、地方によって異なること...年配者、寺院、石屋さんに相談してみましょう。すぐに答えを得られると思います。

(参考)
埋葬、納骨の前には、納骨室は神聖な場所ですから、よく清掃し僧侶の読経を送ってもらいながら縁者一同が心をこめて行うことが多いです。納骨室によっては、地質柄、染込水が入っていたり、地震によって、骨壺が倒れていたり、納骨室を開けた時に色々と対処しないといけない事に直面することでしょう。そうしたことから、前もって石屋さんに納骨を依頼し、準備も進めてもらうことが多いです。

開眼供養

新しく作った、仏像や石塔を置いた場合、法をもって供養し、仏を迎え入れて仏菩薩にします。それを開眼供養といいます。僧侶によって経をあげてもらい、仏像や石塔が供養の対象となるようにすることとなります。

(参考)
墓石とは、多くの仏典の中で「法華経・見宝塔品」に書かれている内容の地中から湧出した仏塔ととらえられているそうです。その仏塔には、仏が座しており、衆生を済度(=救済)していると理解するそうです。なので、できるだけ早く開眼供養をして魂入れをすることが大切だというのは、このような意味からとのことです。

作 法

一般的によく言われている作法をご紹介いたします。みなさまのご参考になりましたら幸いです。

納 骨

火葬が終わるとすぐに、納骨する場合もありますが、多くの場合には、いったん家に帰り、祭壇に安置して四十九日まで弔問を受けます。宗派によりますが、神式では30~50日、キリスト教なら一か月後、仏式なら四十九日までそのようにするそうです。
納骨の日は、いったん菩提寺で法要をするそうですが、自宅で焼香して墓地に向かうこともあるそうです。寺墓地の場合は、だいたいお寺さんの近くに墓地があるでしょうから、僧侶にお願いすることに問題はないですが、霊園の場合は、お寺と管理事務所に前もって連絡し、段取りをします。いずれにしても、詳しくは、お寺、管理事務所に相談しましょう。僧侶、石屋さんへのお布施、お心づけは納骨の後に和紙または不祝儀袋に入れて差し上げるそうです。納骨する場所を所有していない方は、お寺さんの納骨堂やお寺に預けることになるそうです。事前にお寺さんにご相談してみてください。納骨が終わると、自宅、お寺、料亭などで参加された人たちを接待するそうです。年配者や家族とご相談されてください。

塔婆供養について

写真のような木の板ですが、塔婆といいます。意味は前述の、「塔婆立ては必要 ?」に記載してますので、ご参照ください。塔婆は仏教思想を表す、「空、風、水、火、地」を梵字で書いて仏塔とし、戒名や経文の一説などを書き、死者の成仏を願うものだそうです。塔婆供養は、僧侶にお布施してお願いします。霊園などの場合には、管理事務所などに前もって手配をお願いするそうです。

焼香について

香をたくという意味は、俗人である私たちのけがれを取り払い、清浄とし、心を正として仏に接するための意味があるそうです。仏典には、十種供養が説かれている一説があり、焼香はそのうちの一つの供養にもなっているそうです。焼香は、供養法として仏典の中に説かれており、仏をお迎えする儀式の一つにもなっています。焼香の回数や方法は宗派により異なり、詳しくは僧侶にお聞きになるとよいでしょう。供養する心をもって行うのが一番です。
焼香の順番は、故人に血縁の深いものから行います。先ず、施主からということだそうです。

焼香の回数(参考)

[真言宗] 焼香3回、お線香3本、身口意の3行を清めます
[曹洞宗] 特に決まりはありません。線香は1本たてます
[真宗大谷派] 焼香2回、線香は適宜折って横にたおして焼香
[浄土真宗本願寺派] 焼香1回、香焚く前に合掌はしない。横にたおして焼香する

燈明について

墓地の中に、灯篭を置かれている方も多いと思います。燈明供養という言葉もありますが、仏典の中でも「みあかし」を仏に献ずる功徳の大きいさが説かれています。薬王菩薩が自分の身を焼いて灯(ともしび)の供養をしたとのことです。神社や寺院には必ずと言っていいほど灯篭があります。灯篭供養することと共に、法灯を絶やしたくないという意味が含まれているそうです。そうした目線で灯篭をみてみるのも良いでしょう。

珠数について

数珠、珠数、呪珠、誦珠などとも書き、「ずず」と呼ぶこともあるそうです。仏を礼拝するときに手にかけたり、もんだり、称名を唱えるときに数を数えたりするのに用いるそうです。数珠もいろいろな仏典に登場するものです。数珠の珠の数は108個あり、108の煩悩を絶つという願いから、108を基本としてその10倍、または半分、1/4の数の物があります。数珠の功徳は、仏と私たち衆生の間にたって仏道修行をたすける法具といわれています。

合掌について

インド、東南アジアでは現在でも日常のあいさつで合掌します。合掌はインドで生まれたそうですが、この合掌は宗教的な礼法として取り入れられ、日本にも伝わってきたそうです。合掌という礼法は、神道でもキリスト教でも用います。合掌とは、二つの掌(たなごころ)を合わせ、心を一つにして気持ちを安静にすることとし、神仏に向かって精神を統一して祈るということのようです。心の統一が大切ということだそうです。

法 事...

法事について、簡単にご説明いたします。みなさまにとってご参考となれば幸いです。

法事

法事とは、もともとは仏法を広めたり、修行したりする仏教行事のことを言ったそうですが、今では一般的には亡くなった人の追善供養を行う忌日の行事を指すようになったそうです。

忌日

「忌」というのは、「己」をいましめるという意味だそうです。忌中は他事に心を奪われてはいけないということだそうです。人が亡くなり四十九日間を忌中、中陰、中有といいます。忌中は7日毎に追善供養をして死者の墓提を祈ります。

四十九日

四十九日は、霊が家を離れるとされているそうです。この日を忌明けとし、忌明け法要を行うそうです。施主は、亡くなった人の追善供養として、僧侶にお布施をし、施主にかわって読経を行う。読経や法話がおわりますと一同で焼香をして、お墓にいって納骨をします。納骨式をすませると、納骨準備をした石屋さんに謝礼をし、参加者に振る舞いをする。こうした流れが四十九日という日となります。

新盆

亡くなって初めてのお盆を「新盆、初盆」といいます。7月13日(旧盆の地方では8月)には夕方に迎え火を焚き、16日には送り火をして霊を迎え送ります。また、新盆には、お墓参りをするそうです。お墓参りしましたら、燃えのこりの線香や、枯れた花をきれいにし、草などもとって掃除します。お墓に水をかけるのは、仏に水をあげるわけですから、静かに心をこめてかけるそうです。

(参考)
焼石に水という言葉があるように、最近の気候では、墓石も非常に熱くなり、石の内部と外側でも温度差が生じます。そうした石塔に水をかけると、石に熱的ひずみを生じて、ヒビが入ったりしてしまう場合もゼロではありません。状況を確かめながら行うとよいでしょう。

法事の接待

法事のふるまいは、四十九日、一周忌、三回忌などに行うことが多いそうです。四十九日は日を変えにくいですが、一周忌、三回忌は近親者や参加者の都合も考えて日をずらすことも多いそうです。この場合、命日よりも前に変更することが多いそうです。ふるまう場所は、自宅、菩提寺、法要センター、料亭やレストラン等で行われているそうです。お世話になった僧侶や世話人、親戚、知人などに感謝を示す意味で食事をふるまうとのことです。

料亭と宴席

忌中は、「己」をいましめて精進し、生ぐさものを絶つそうですが、四十九日を過ぎると、その禁が解けます。これを「精進落とし」ともいうそうです。宴席での席順は僧侶を上座にして、喪主や遺族は末席につきます。一同が席についたところで喪主はお礼の挨拶をし、列席の一人一人に酒を注ぎ、丁寧に感謝の言葉を述べるようにしましょう。

惑わされないでほしい...

いろいろな、情報が手元にすぐに入る時代だから、惑わされないでほしい...
ながく続いた文化や風習には、色々な思いや意味があるようです...

石についての良し悪し

いろいろな方が、いろいろな所で、石の良し悪しについて情報を発信されています。「国産が良い...」とか、「この石はダメ...」とか。情報を発信される方の立場や主観に左右された情報もあり、そうした事もお近くの石やさんに聞いてみましょう。

石の良し悪しは、みなさんの立場、造るひとの立場、立場であったり想いでいろいろと良し悪しは変わります。耐久性のある石を良しとするか。美しい石を良しとするか。柔らかくて加工しやすい石を良しとするか、硬い石を良しとするか....良し悪しの基準はその時の場面や要求によって変わってしまうのです。地球からとれた石で日本の石はよくて海外の石が悪いという事もなく、むしろ昔から日本は木材文化で海外は石材の文化でした。石材だけではなく、良し悪し...日々の生活におきかえて本当に良いのか、悪いのか...情報に惑わされず少し考えてみても面白いかもしれませんね...